原理原則の概要
Large-Scale Scrumはスクラムである ー決して新しい物でも改善版でもない。LeSSはスクラムの目的、原理原則、要素を大規模開発で適応する為の物である。複数チームのスクラムであり、複数スクラムチームでは無い。
経験ベースのプロセス管理 ーやり方を固定するのでは無く、プロダクト、プロセス、組織デザイン、そして技法等の仮説検証を繰り返し、組織にあった形に適応していく。このアプローチを行う上では透明性が必要であると同時に透明性を促進する効果もある。
透明性 ー実際にDoneにしたアイテム、短いサイクル、協働、共通の定義、職場から恐れを無くす。
LeSSでもっと多く ー⑴経験ベースのプロセス管理:少なく定義されたプロセスで多くの学びを。⑵リーン思考:無駄と間接コストを少なくし、多くの価値を生み出す。(3)スケーリング:役割、アーティファクト、スペシャルグループを最小化し、オーナーシップ、目的そして喜びを生む。
製品全体思考 ー1つのプロダクトバックログ、1人のプロダクトオーナー、1つの出荷可能な製品単位、1つのスプリント(3チームでも33チームでも1つのスプリント)。顧客はプロダクトが欲しいのであって、その一部分が欲しいわけでは無い。
顧客中心 ーお金を払っている顧客の視点で何に価値があり、何がムダなのかを識別する。顧客の視点でサイクルタイムを短くする。本当の顧客からフィードバックをもらう機会を増やす。従業員全員が、今日の自分達の仕事がお金を払っている顧客に対してどのような影響を及ぼしているかを理解している。
完璧を目指しての継続的改善 ープロダクトをバグが無い状態で常に提供し続ける事により顧客を満足させ、環境を改善し、生活をよりよくする。これに向かって、各スプリントを謙虚に、そして根本的な改善を行う為の試行錯誤を行う。
システム思考 ー部分最適では無く、全体を俯瞰し、理解し、システム全体を最適化する。個人や1チームなどの部分的な効率化や生産性向上だけに集中することは避けなければならない。顧客は製品開発の過程を気にする事は無く、アイディアがお金を産むまでの期間を極力短くしたいのである。
リーン思考 ーマネージャーは先生として、システム思考やリーン思考を適応し、教え、改善を促進し、現地現物を実践するという組織の文化の土台を作る事が大切である。人への尊重と継続的改善という2つの柱を組織に根付かせる。これらは全て完璧というゴールに向かって行う事である。
待ち行列理論 ー待ち行列がシステム全体に及ぼす影響を実験し、理解し、それらの知見を持ってキューのサイズを調整、WIPの制限、マルチタスク、ワークパッケージ、変化への対応を行う。